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相続税講座

相続税のイロハ⑤ 不動産の評価

投稿日:2018年2月26日

遺産の中に不動産が含まれる場合、相続税の面では、その不動産を「実売価格」や「近隣相場の額」で評価することはほぼありません。

不動産の価値の評価方法は、「一物四価」と言われるようにいろいろあり、相続においては、不動産の実売価格ではなく、「路線価」(主に土地)と呼ばれるもので評価したり、「固定資産税評価額」(主に家屋)で評価したりします。

この2つの評価方法は実売価格の70%~80%くらいになるのが通常です。

 

例えば、実際に売却すれば(近隣の相場からして)1億円の値がつきそうな不動産であっても、遺産の価値としてみると、およそ7,000万円~8,000万円の評価になるということです。(併せて他の制度を利用すれば、さらに評価額を下げられることがあります。後述します。)

法定相続人が3人だったとすれば、基礎控除額は4,800万円(平成27年以降に開始した相続の場合)となりますが、

もし現金で6,000万円持っていた場合、基礎控除を上回る1,200万円について相続税の対象となるところ、(実売価格としては6,000万円の)不動産で持っていた場合は、評価が4,200万円~4,800万円程度となるので、相続税がかからなくなる可能性もあるわけです。

これが、相続対策として「財産は現金で持つより不動産で持った方がよい」と言われる理由なのですが、このように相続税の面では有利である不動産も、相続そのものの面から見ると現金よりも分けにくい財産(真っ二つにして分けるわけにはいかない)であるため、争いのもととなることが多くあります。

少なくとも、遺産総額が基礎控除を大幅に上回りそうであればまだしも、そうでない場合に現金資産をわざわざ不動産に換えても何らメリットがないことが多いのでご注意ください。

居住用宅地の特例

特定居住用宅地の特例とは、相続開始の直前において被相続人が居住していた宅地を、一定の要件を満たす配偶者や親族が相続する場合に、不動産の評価額(相続税の課税価格)を大幅に減額することができる制度です。

具体的には、下記の通りです。

相続開始直前に、被相続人が住んでいた家の敷地(土地)をその配偶者が相続する場合

この場合、面積330㎡までに限り、評価額を80%減額して良いのです。
※平成26年12月31日以前に開始した相続については240㎡まで

仮に、実売価格で1億円程度(330㎡未満)の土地の上に、被相続人が家を建てて住んでいたとします。

この土地をまともに評価すると、路線価などで多少の減額にはなるものの、おおよそ8,000万円程度に落ち着くことが多いでしょう。

しかし、その土地を配偶者が相続した場合、330㎡までは8割引きとして計算できるので、8,000万円×20%=1,600万円となり、相続税の面では非常に有利となります。

相続開始直前に、被相続人が住んでいた家の敷地(土地)を、同居の親族が相続する場合

配偶者以外の同居の親族が相続する場合も、面積240㎡までに限り、評価額を80%減額して良いのですが、配偶者の時と違って1つ条件があります。

相続開始の日から相続税の申告期限まで、引き続きその家屋に居住し、かつ、その宅地を所有している場合

という条件です。

配偶者にはこの条件はないのですが、それ以外の親族(子など)がこの優遇を受けるためには、少なくとも相続税の申告期限(相続開始後10ヶ月)まではその家に住み、土地を所有していなくてはなりません。

相続開始直前に、被相続人が住んでいた家の敷地(土地)を、同居していない親族が相続する場合

この場合も面積240㎡までに限り、評価額を80%減額して良いのですが条件が2つあります。

  • その親族が、相続開始前3年以内に日本国内にある自己又は自己の配偶者の所有する家屋に居住したことがない
  • 相続開始の日から相続税の申告期限まで、引き続きその宅地を所有している場合

という条件です。

少なくとも相続税の申告期限(相続開始後10ヶ月)まではその家に住み、土地を所有していなくてはならない他、相続開始前3年以内に自分もしくは自分の配偶者が家を持っていたら、もうこの優遇措置を使う必要もないでしょ、ということです。

特例を利用するためのその他要件

その他、この優遇措置を受けるためには次の要件を満たす必要があります。

  • 例え相続税がゼロであったとしても、相続税の申告をすること
    かつ
  • 相続税の申告期限(相続開始後10ヶ月以内)までに土地の分割が済んでいること

よって、仮に10ヶ月過ぎても遺産分割が済んでいない場合は、一旦この軽減措置がなかったものとして申告し、相続税を納める必要があります。

但し、その場合でも、相続税の申告書に「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付した上で、相続税の申告期限後3年以内に遺産分割が済めば、そこから4ヶ月以内に更生の請求をすることによって軽減を受けることができます。(払った相続税が返還されます)

また、申告の際は、相続税の申告書に小規模宅地の特例を受ける旨を記載し、指定の書類を添付して提出しなければなりませんので、税理士などの専門家に任せた方が安心だと言えます。

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