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遺言コラム

遺言の限界

投稿日:2018年3月27日

こだたま行政書士事務所です。

これまで、遺言には大きな力があることをご説明してきました。

正しい遺言を書くことにより、ほとんどの場合、ご自身の希望を叶え、家族にも感謝され、多くの遺産相続争い(争族)を避けることができます。

従って、私はやはり元気なうちに遺言書を書いておくことをお勧めします

しかしながら、同時に、相続と遺言の仕組みを学びぬいた一人として、そしてプロとして言っておかなくてはならないこともあります。

 

それは、遺言にも限界があるということです。

 

遺言を書いておけば、100%トラブルを防げるかというご質問には、残念ながら「必ずしも100%ではない」と答えるしかありません。

遺言も人間が法律により定めたものであって、常に完璧ということはないのです。

遺言の限界に対抗するために

ここで、遺言を書く目的は何でしょうか。

書くこと自体が目的ではありません。

財産の分け方だけを決めて終わり、ということでもありません。

 

あくまで目的は、「ご自身の希望を叶え、あるいは、家族や大事な人が仲良く暮らしてもらう」ことです。

 

その目的を果たすために、遺言の限界は必ず踏まえておく必要があります
相手に勝つためには、相手を知る必要があるということです。

 

「遺言を書きさえすれば大丈夫」という考えを一度疑ってみて初めて良い遺言書というものが書けると私は日々思っています。

ここから、限界に気づいたからこそ見える遺言の落とし穴と、その対策をご説明します。

そのあたりを踏まえるだけでも、想いを実現できる遺言の可能性が飛躍的に高まるはずです。

 

遺言は無視することもできる

遺言は遺産分割においてもっとも優先されるものですが、実は遺言を無視して相続人間で改めて遺産分割協議をすることができます。

その結果、遺言と全く違う遺産分割がなされることがあり、それはそれで有効となるのです。

 

本来、平成3年4月19日最高裁判決により、「遺言がある場合は遺産分割協議を持つ余地もなく、遺言の内容に従うこと」とされていますが、一方で相続人や受遺者(法定相続人ではないが、遺言により財産をもらえる人)全員の同意があれば、遺言の内容と異なる遺産分割をすることができる、ともされています。

 

つまり、自分が書いた遺言が、誰にとっても望ましいものではなかった場合は、おそらく遺言は無視され、遺産分割協議を持たれることになるでしょう。

もちろん、そもそもそういう内容の遺言は書かないですよね。

 

では、例えば相続人が子供2人だけだったとき、子供たちには一切の遺産を与えず、内縁の妻(内縁の妻は相続人ではないため、本来相続分はない)に全財産を遺贈するという遺言を残したとします。

相続が開始してみたら遺言の内容を見た子供たちが憤慨して、内縁の妻に文句を言い、内縁の妻もいたたまれなくなって遺贈を放棄したらどうなるでしょうか。

もう誰も遺言に従う意思を持つ人はいなくなってしまいました。

相続人(受遺者)のうち一人でも遺言に従うという意思を曲げなければ良かったのですが、上記の場合もご自身(遺言者)の遺言の内容は叶いません。

例としては少し極端ですが、実際に遺言を書かれたとしても改めて遺産分割協議に至ることは多くあります。

これを防ぐ手立てはあるのでしょうか。

やはり限界がある以上は「絶対に大丈夫」とは言えないものの、方法はいくつか考えられます。

この対策を立てることで、あなたの遺言はより完璧に近づいていきます。

(対策1)遺言執行者を選任する

これはなかなか有効な方法で、遺言執行者を遺言で指定しておくのです。

遺言執行者がいる場合、相続人は遺言の執行を妨げる行為ができない(民法第1013条)ため、遺言と異なる遺産分割はできなくなります(大判昭5年6月19日)。

相続人(及び受遺者)全員が遺言に反対したとしても、遺言執行者がそこに同調しない限りは、遺言の内容が執行(実行)されます。

もっとも、そのように全員が反対した場合は遺言執行者もその立場を降りることが実務上は多く、遺言執行者がいなくなった以上、遺言と異なる遺産分割も可能となります。

しかし、遺言に従いたいという相続人(受遺者)が一人でもいれば、遺言執行者は遺言の内容を実現するために動き、その邪魔は誰にもできません。

よって、遺言の内容が実現することになります。

(対策2)遺留分に配慮する

遺留分は、相続人に最低限保証される相続分ですが、これを無視して「○○に全財産を遺贈する」などの遺言を残すと争いのもとになることが多いです。

「少しでも気遣ってくれた」と「ゼロ」は大違いです。

また、遺留分が侵害されている場合は、遺言の内容が実行されたとしても遺留分減殺請求をきっかけとして争いが発生する可能性が非常に高くなります。

争いのきっかけ、この場合は「遺留分減殺請求の余地」をわざわざ残しておくことは望ましくありません。

相続人の心情的な面と、争いのきっかけとなるものを無くすという二つの理由から、遺留分についてはしっかりと把握して、できる限りそれを侵害しないような遺産分割を考えた上で遺言を作っていく必要があります。

(対策3)付言事項を必ず残す

付言事項とは遺言書の中に記載しておく「家族や大切な人へのメッセージ、手紙」です。

付言事項には法的な効力はありません。
「家族同士仲良く暮らしてください」と書いたとしても、家族に仲良くする法的な義務が発生することはありません。

しかし遺言者の最後の言葉ですから、相続人同士の争いを抑制する高い効果があります。

遺言に書かれた内容(特に、遺産を誰にどれくらい分けるのか)をどういう気持ち、経緯で決めたのか、また、それに従って欲しい旨を書いておくことで、遺言の実現可能性は高まります。

特に、客観的に見て平等ではない遺産分割を遺言される場合は、なぜその配分にしたのかなどを記載しておくと良いでしょう。

(付言事項の例)

二人の息子へ。私は、二人の子供に恵まれて今までとても幸せでした。

お母さんが早くに亡くなってしまってから、男手ひとつでお前たちを育てていましたが、たくさん不便もかけたし母親がいない寂しさも感じさせてしまったことでしょう。それでも文句も言わずしっかりと勉強をして、立派に社会に巣立ってくれて嬉しかったです。

それから春子(※注:内妻)と出会い、その支えもあって、二人で住むための小さな家も持つことができました。春子は、一切の贅沢もせず、わがままも言わず、私についてきてくれました。

私には財産と呼べるものはこの家しかありません。

もし私の最後のお願いを聞いてくれるのであれば、この家は春子の今後の生活のために、春子に残してあげたいと思っています。どうかそうさせてください。

二人の息子たちを本当に大切に思っています。
もっときちんと言葉にして言ってあげればよかったのですが、気恥ずかしくて言えなかったお父さんを許してください。
本当によい人生でした。私の息子でいてくれて、本当にありがとう。

相続分の指定は危険?

相続分の指定は、「財産の3分の1を相続させる」という風に割合を決めることを言いますが、特に複数の種類の財産を持っている場合(例えば「不動産と預貯金」など)で「全財産の半分を相続させる」という書き方はかなり危険です。

上の例でいくと財産は「不動産と預貯金」ですが、これを「半分」相続するというのはどういうことでしょうか。

不動産の価値が3,000万円だったとして、預貯金が1,000万円だったとしたら、「半分」は2,000万円です。相続人は二人としましょう。

この場合、不動産を半分ずつ共有して、預貯金を500万円ずつ分けるのか、もしくは一人が不動産を「2,000万円分」共有し、もう一人が不動産を「1,000万円分」共有した上で加えて預貯金を1,000万円もらうのか、様々なケースが考えられます。

結局、遺産分割協議で決めるしかないということになります。

 

遺言の目的を達成するためには、できるだけ相続人同士で協議を持つ(悪く考えれば、揉めるきっかけ)場面をできるだけ少なくする必要があります。

従って、こういう場合はやはり「不動産は○○に、預貯金は△△に」というように、「遺産分割方法の指定」をされた方が遥かに良いと言えます。

 

まとめ

遺言の限界、いかがでしたでしょうか。

特に、遺言がある場合でも一定の要件を満たせば、遺言と異なる遺産分割も可能(つまり、遺言を書いても無駄)ということはあまり積極的に触れられることはありません。

しかし、そういうことこそプロとしてきちんとお伝えし、その上で一緒に対策を立てていくのが、本当の遺言作成業務なのです。

「書いておきさえすればいい」から一歩踏み込んで「どう書くべきか、そして、自分の遺志が実現されるためには生前にどういう準備をしておくべきか」をゆっくりでいいので考えていきましょう。

 

遺言や相続で後悔するということは、生前に後悔することと訳が違います。

それこそ、取り返しのつかない後悔になってしまいます。

「家族や大事な人が仲良く暮らすための、最後の手紙」

それを確かなものにするために、私たちはありとあらゆる可能性を見出し、全力でサポートいたします。

こだたま行政書士事務所
行政書士 林洋平

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